スマートキーを悪用するリレーアタックの手口や防止対策、車盗難の前兆などを詳しく解説

スマートキーを悪用するリレーアタックの手口や防止対策、車盗難の前兆などを詳しく解説


警視庁の発表によると、自動車盗難の認知件数が2003年から年々減少していましたが、2022年は9年ぶりに増加に転じました。


中でも近年自動車盗難の手口として、スマートキーを悪用したリレーアタックというものが流行っています。


そこで今回は、リレーアタックの手口や仕組み、防止する方法や対策をご紹介します。

また、動車盗難の被害に遭う前兆もご紹介するので、愛車の盗難対策に役立てて下さい。




車の盗難手口リレーアタックとは?

車の盗難手口リレーアタックとは?


リレーアタックとは、車の鍵であるスマートキーの電波を利用して、車の鍵開けやエンジンの始動を行い盗難する手口です。


盗難された車は、そのままだと盗難車両とバレるため、パーツを解体され海外へ輸出されるケースもあります。


また、リレーアタックは、初めは海外ではやっていた盗難手口でしたが、近年日本でも被害が発生し、今後も被害件数が多くなると予想されます。



 

リレーアタックはどういう仕組み?

リレーアタックはどういう仕組み?


スマートキーは常に電波を発しており、この電波が届く範囲に車があるとドアノブに手を近づけるだけで鍵が開き、またPUSHボタンでエンジンが始動できます。

このスマートキーの特徴を悪用してリレーアタックは行われています。


リレーアタックの手順としては、まず車両盗難犯の一人がスマートキーに近づき、ある受信機を用いてスマートキーの電波を拾い増幅させて、車両に電波を飛ばします。

この時にもう一人の犯人が車の鍵を開け、エンジンを始動し逃走するというのがおおまかな流れです。



リレーアタックが起きやすい場所や狙われやすい車種


リレーアタックが起きやすい場所や狙われやすい車種をご紹介します。

ご自身の車が狙われやすい車種か把握しておきましょう。


また、日本損害保険協会のデータによると、車両本体盗難は22時~9時が最も多く発生しています。

そのため、盗まれやすい時間帯も含めてご自身の愛車が狙われやすい環境にあるかどうか確認しておきましょう。



家の駐車場や大きな駐車場のある施設

家の駐車場や大きな駐車場のある施設


リレーアタックの被害が起きやすい場所は、戸建て住宅の駐車場大きな駐車場のある施設です。


戸建て住宅の場合、玄関と駐車場が近いことが多いため、玄関付近に置いてあるスマートキーの電波は拾いやすく、リレーアタックがしやすい環境となっています。


ショッピングモールなど大きな駐車場のある施設でもリレーアタック被害が起きます。

専用の機器を所持した中継役が施設内で車の所有者に近づき、スマートキーの電波を増幅させて窃盗役に電波を送り、車を盗む手法です。

また、100m程離れた距離でも電波を増幅させて届けることができる場合もあるので、ショッピングをしていたらいつの間にか車が盗まれていたというケースが起きます。



狙われやすい車種にはトヨタ車が多い

   
 
 
車名別盗難状況ー車両本体盗難(2022年) ※構成比の各項目は小数点第2位を四捨五入しているため、表記の単純合計値が100%にならない場合があります。 (注)ランドクルーザーにはプラドを含む。ハイエースにはレジアス、グランビアを含む。クラウンにはマジェスタ、エステート、アスリートを含む。
出典:日本損害保険協会
順位 車名(車種) 件数 構成比
1 ランドクルーザー 450 16.9%
2 プリウス 282 10.6%
3 アルファード 184 6.9%
4 レクサスLX 156 5.9%
5 レクサスRX 90 3.4%
6 ハイエース 83 3.1%
7 クラウン 72 2.7%
8 アクア 55 2.1%
9 C-HR 43 1.6%
10 レクサスES 38 1.5%
上位10車種合計 1,453 54.7%
その他車種 1,203 45.3%
合計 2,656 100%
 

リレーアタックなどで車の盗難被害の多い車種は、トヨタ車高級車が多いです。

ランドクルーザーやプリウス、ハイエース、アルファード、レクサスLXなどが盗難件数の多い車種として毎年ランキング上位にあげられます。


しかし、トヨタ車以外のメーカーでも盗難被害が起きている車種もあるので、油断せずに対策を行う必要があります。

また、中古の車両でも、価値の高い車海外で人気の車は盗難のターゲットにされやすいので注意してください。





実際に車が盗難に遭った時の対処法


ここでは実際にリレーアタックなどで車の盗難に遭った時の対処法をご紹介します。

盗難に遭った際でも慌てずに対処すれば、愛車が早期発見できるだけでなく、保険や税金などで損しない可能性もあるので、対処法を事前に確認しておきましょう。



警察に盗難の被害届を出す

警察に盗難の被害届を出す


まず、車両の盗難に遭ったらすぐに警察署や交番で盗難被害届を提出しましょう。

盗難届を出すことで、盗難車が見つかった際に連絡してもらえます。

また、盗難被害届を提出する際は、自動車登録番号や車体番号、車種や色などを記入することがあるので、車検証等のコピーを持参していくといいです。


盗難被害届を提出したら警察側から受理番号が発行されます。

この受理番号は保険などの各種手続きに必要なので、無くさないように控えておいてください。



 

保険や各種機関に連絡する

保険や各種機関に連絡する


車両の盗難は、保険適用される可能性があります。

そのため、盗難被害届の受理番号を入手できたら、加入している自動車保険の会社に連絡しましょう。


また、運輸支局で廃車の手続き(一時抹消登録)を行うことをおすすめします。

一時抹消登録を行うことで、盗難車両の公道での走行をできなくしたり、自動車税の請求を停止させたりすることが可能です。


盗難車両が見つかった際は、中古新規登録を行うことで、再度車両が使用可能になります。



リレーアタックを防止する方法


ここではリレーアタックの防止対策を下記の3つの分野別にご紹介します。


 
  • ・スマートキーのリレーアタック対策

  • ・車のリレーアタック対策

  • ・家やガレージのリレーアタック対策


複数のリレーアタック対策を行うと、より盗難被害に遭う確率を下げられるので、できる範囲の対策を複数行うように心がけましょう。


また、リレーアタックに限らず、車の盗難を防ぐには、犯行を目立たせる犯行に時間をかけさせる犯行が難しいと思わせることが効果的です。

そのため、これら3つを意識してリレーアタック等からの自動車盗難に備えるようにしてください。




スマートキーのリレーアタック対策

スマートキーのリレーアタック対策


スマートキーの対策を正確に行うことで、リレーアタックを起こさせない効果が期待できます。


スマートキーのリレーアタック対策は下記を参考にしてください。


また、スペアキーが発する電波でもリレーアタック被害に遭う可能性があるため、スペアキーも一緒に対策を行いましょう。




スマートキーをアルミ缶に入れる

スマートキーを100均などのアルミ缶に入れ電波を遮断する

スマートキーを100均などのアルミ缶に入れ電波を遮断する


スマートキーを100均などに販売されているアルミ缶に入れると、キーの電波が遮断されるため、リレーアタックを防ぐことができます。


しかし、アルミ缶の蓋も閉めないと効果が出ないので注意してください。


もし、電波が漏れていないか心配な方は、スマートキーをアルミ缶内に入れた状態で、スマートエントリーシステムを試してみるといいです。

スマートキーの電波が遮断されているなら車の鍵は開きません。


またアルミ缶以外に、ブリキ缶などでも効果があるのでご自身が用意できる物を選んでください。




電波を遮断するキーケースを使う

リレーアタック防止用のキーケースを使う

リレーアタック防止用のキーケースを使う


毎回アルミ缶にスマートキーを収納するのが面倒という場合は、リレーアタック防止用のキーケースを使用するのがおすすめです。


リレーアタック防止用のキーケースも電波を遮断してくれるので、アルミ缶と同様に犯行を防ぐことができます。


また、通販サイトに数千円ほどで販売されているので、手軽に自分の好みに合ったキーケースを選べます。


しかし、キーケースの付け方や商品の性能によっては、電波を完全に遮断できないことがあるため注意してください。




玄関や窓付近にスマートキーを置かない

玄関や窓の近くにスマートキーを置かない

玄関や窓の近くにスマートキーを置かない


玄関や窓の近くにスマートキーを置かないことも、リレーアタックを防ぐことができる場合があります。

玄関付近にスマートキーを置いている場合は、玄関外からスマートキーの電波を拾われるリスクが高いです。


もちろん、アルミ缶等を使っていれば盗難のリスクは低いですが、対策なしだと簡単に電波を拾われ、リレーアタックの被害に遭ってしまいます。


そのため、スマートキーはリビングなど、玄関や窓から放して保管することをおすすめします。




節電モードにして電波を弱める

スマートキーを節電モードにして電波を弱める

スマートキーを節電モードにして電波を弱める


スマートキーを節電モードにすることで、電波が拾われるのを防ぐことができます。


トヨタスマートキーの節電モードの設定方法は下記を参考にして下さい。


スマートキーの種類や他メーカーのスマートキーによっては節電モードの有無や設定方法が異なるので、取扱説明書等を参考にするといいです。


 
  • 1.施錠ボタンを押し続ける

  • 2.解錠ボタンを2回連続で押す

  • 3.赤色ランプが4回点滅したら完了


スマートキーを節電モードにすると、鍵を使わずにドア鍵を開けることのできるスマートエントリーシステムは使用できなくなるので注意してください。


また、節電モードはスマートキーのボタン操作をした時点で解除されるので、ドア鍵をロックするたびに、節電モードへの設定を行う必要があります。






車のリレーアタック対策

車のリレーアタック対策


車両に行うリレーアタックの対策をご紹介します。


リレーアタック以外の盗難手口にも防止効果が期待できるので、下記の防止対策を参考に試してみて下さい。



ハンドルロックを取り付ける

ハンドルロックを取り付ける

ハンドルロックを取り付ける


車のハンドルにハンドルロック(ステアリングロック)をかけましょう。


ハンドルロックは、ハンドルが物理的に動かないように固定する盗難防止グッズです。


もしエンジンがかかったとしても、ハンドルがきれないので車を盗むことができません。

ハンドルロックを切断して盗むという事例もありますが、犯行の時間を稼ぐことはできるため、途中であきらめさせるなど、犯行の抑止力になります。




タイヤロックを取り付ける

タイヤロックを取り付ける

タイヤロックを取り付ける


タイヤにタイヤロックをかけるのもおすすめです。


タイヤロックとは、盗難防止アイテムの1つで、タイヤを固定し物理的に車を動かなくさせることができます。

車を動かせないだけでなく、犯行の時間稼ぎや見た目の抑止力にも効果が期待できるアイテムです。


対策がされてある車だとすぐにわかるように、赤や黄色など暗闇でも目立つ色にすると盗難されにくくなります。


しかし、こちらもハンドルロック同様に切断されることもあるので、他の対策と一緒に行うようにしましょう。




車にカバーを被せる

車にカバーを被せる

車にカバーを被せる


車にカバーを被せると、車種などが特定されにくいため、盗まれる可能性が低くなります。


自動車の盗難は、下見や計画などを行ってから犯行を起こすことが多いです。

そのため、車種が特定されにくいと、盗難の被害にも遭いにくいということに繋がります。


また、犯行の際に車カバーを外す必要があり、時間がかかるのと、他者の目につきやすくなるリスクもあるので、盗難を諦める可能性が高いです。




盗難防止装置を導入する

盗難防止装置を導入する

盗難防止装置を導入する


リレーアタックを防ぐには、カーセキュリティなどの自動車の盗難防止装置を導入するのもおすすめです。


カーセキュリティの中には、GPS機能が付いている物や警報音が鳴るものなどがあり、盗難の発見などに役立ちます。


また、中にはエンジンが始動しても、セキュリティシステムを解除しないとエンジンが停止するものもあるので、リレーアタック等から盗難を防ぐことができます。


カーセキュリティは、費用がかかってしまうことが多いですが、それなりの効果が期待できるので、導入を検討してみるのもいいかもしれません。






   

家やガレージのリレーアタック対策

家やガレージのリレーアタック対策


より防犯性を高めたい方は、家やガレージにもリレーアタック対策をするのがおすすめ   です。


しかし、賃貸物件だとこれから紹介する対策ができないケースが多いので注意してください。


家やガレージのリレーアタック対策は下記の4つです。



シャッターや柵を設置する

シャッターや柵を設置する

シャッターや柵を設置する


家の駐車場にシャッターや柵を設置することで自動車の盗難を防ぐことができます。


シャッターや柵は、駐車場内へ侵入されにくいだけでなく、車を外に出すことも困難なため盗難の標的になりにくいです。


マンションなどの賃貸物件の場合は、勝手に駐車場に柵などを設置できないので、別の対策か防犯性の高い駐車場を契約することになります。




シャッター鍵の防犯性を高める

ガレージのシャッター鍵を防犯性の高い鍵に交換する

ガレージのシャッター鍵を防犯性の高い鍵に交換する


リレーアタックを防ぐ対策として、ガレージのシャッター鍵をディンプルキー等の防犯性が高い鍵に交換することもおすすめです。


鍵先がギザギザした型のディスクシリンダーやピンシリンダーは防犯性が低く、ピッキング等で開けられてしまう可能性が高いです。

一方、鍵先に凹凸のあるディンプルキーは、ピッキングが困難で防犯性が高い特徴を持っています。


また、10年以上使用している鍵やサビの付いている鍵などは、簡単にこじ開けられてしまう可能性もあるため、鍵交換しておくことをおすすめします。


シャッターの鍵交換の料金やご相談は、鍵ロックセンター24まで一度お電話ください。







防犯カメラを取り付ける

防犯カメラを取り付ける

防犯カメラを取り付ける


玄関や駐車場に防犯カメラを設置することもリレーアタック対策の1つです。


防犯カメラを設置することで、防犯性の高い家と認識され車両盗難の標的にされにくくなります。

また、もし盗難が起きてしまった場合でも、防犯カメラから証拠を入手できるので、盗難の早期解決が期待できます。


もし、防犯カメラの設置をご検討の際は、当社でも防犯カメラなどの防犯商品の設置サービスを行っているので、気軽にご相談ください。




センサーライトを設置する

センサーライトを設置する

センサーライトを設置する


ガレージや玄関先に、人感で反応するセンサーライトを設置するといいです。


車両盗難に限らず窃盗をする人は、犯行を目立たせたくないという心理がはたらきます。

そのため、急にライトが照らされると、驚いて逃げ出したり、周囲に気づかれやすいため犯行を諦めさせたりできます。


リレーアタックを完全に防止することはできませんが、時間を稼げる対策と一緒に行うことで、より防犯効果が期待できます。






自動車盗難の被害に遭う前兆

自動車盗難の被害に遭う前兆


ここでは自動車盗難の被害に遭う前兆をご紹介します。


まず、車のタイヤ周辺に空き缶やペットボトルが置かれている場合は、自動車盗難の前兆の可能性が高いです。

タイヤ周辺に物を置く理由としては、車をよく動かしているか、自身の車に注意を払っているかの確認などが挙げられます。


また、「高価買取」などの情報が書かれたチラシが車のワイパー付近に挟まっていたということもあります。


これらの現象がある際は自動車盗難の前兆サインの可能性があるので、盗難対策を強化しておきましょう。



リレーアタック以外の車の盗難手口


リレーアタック以外にも車を盗む手口は複数あります。


盗む方法も、リレーアタック同様にスマートキーの電波を利用する方法や車のコンピュータから直接車両を操作する方法など様々です。


これらの手口を把握しておくと、愛車の盗難をあらゆる手口から防ぐことができるので確認しておきましょう。



 
  • ・イモビカッター

  • ・コードグラバー

  • ・CANインベーダー



イモビカッター

イモビカッター


イモビカッターとは、イモビライザーを無効化にする機器です。

主に自動車整備工場や鍵業者が使用する機器ですが、車の盗難に使われるようになりました。


まず、車内に侵入し、車両のコンピュータに不正にアクセスしてイモビライザーのID情報を書き換えます。

情報を書き換えたら、イモビライザーが無効になるのでエンジンを始動して、逃走し車を盗むというのが犯行の流れです。


しかし、車内に侵入されなければ犯行を防ぐことがでるので、侵入されない対策をしましょう。



コードグラバー

コードグラバー


コードグラバーは、スマートキー使用時に出ている電波を利用し、IDコードを入手してキーを複製する手法です。


キーを複製したら、ドア鍵を開けてエンジンを始動し車両を盗みます。


100m以上も離れた距離からでもスマートキーの電波を盗まれることもあるので、犯行がバレにくい傾向にあります。



CANインベーダー

CANインベーダー


CANインベーダーとは、車外から車両の通信回路、車載ネットワーク網へ接続し、車の鍵の解錠やエンジンの始動を行い、車両を盗む手口です。


この盗難手口は、スマートキーの電波を利用することなくスマートキーの電波を利用することなく車が盗まれてしまいます。


そのため、CANインベーダーの対策は、スマートキーの電波遮断以外の方法で行う必要があります。



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